内容が薄い!?「東大生となった君へ」を読んでみた感想

書籍レビュー
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こんにちは!まるです。

タイトルを見た瞬間、「どんな本なんだろう?」と気になって手に取ったのがこの『東大生となった君へ』。
私は全く東大卒ではありませんが、東大生ってどんな考え方をしているのか、どうやって自分を成長させてきたのか——そんなことを知りたくて読み始めました。

良かった点、悪かった点含めて感想を書いていきます↓

著者のメッセージ性

まず全体を通しての感想ですが、読んでみると、全体的に優しい語り口で、東大卒の著者のまっすぐなメッセージが伝わってくる本でした。「真のエリートとは」とか「社会に出てからはコミュニケーション能力が大事」といった内容は、学生だけでなく社会人でも共感できる部分が多かったです。

全体を通して、(自分のためにも)謙虚でいることが大事だ、というメッセージ性が強かったように思います。

というのも、東大に合格したからと言って驕り高ぶっていることで、失敗していった人たちを著者は何人も見てきたそうです。著者は読者にはそうなってほしくないと言い、「人生の少しだけ先輩」として、東大生のマインドのあり方なるものを説いていきます。

印象に残った話

私が読んでいて特に印象に残ったのは、「ノブレス・オブリージュ(noblesse oblige)」の話です。

「ノブレス・オブリージュ(noblesse oblige)」とは、フランスの貴族社会で生まれました言葉で、直訳すると「高貴さは義務を伴う」という意味の言葉です。

中世ヨーロッパでは、貴族は富や特権を持っていましたが、その代わりに「民を守る」「社会に奉仕する」といった義務も負うべきだとされていたそうです。

この考えは後に英語圏でも広まり、イギリスやアメリカなどでも「上に立つ者の道徳的責任」として使われるようになりました。

つまり、“持つ者”は“持たざる者”に対して責任を果たすべきという思想です。
簡単に言うと、地位や権力、財産、才能などを持つ者は、それにふさわしい責任と行動が求められるという考え方。

“東大生になれた君たちは「持つ者」であり、今後は「持つ者」として社会に貢献することを常に意識すること”というのが著者の考えでした。

私はここで初めてノブレスオブリージュの概念を知ったので、新鮮でした。

個人的に内容が薄いと感じたワケ

ただ、正直に言うと、読んでいて「またこの話かも…?」と思うところが何度かありました。
「学歴に甘んじていると失敗する」話や「社会人になってから必要な能力(学習能力だけじゃなくコミュニケーション能力も必要だよね!)」の話など、それはそうだと思うよう話が繰り返し出てくるので、正直文字数稼ぎにしか見えず途中で少し単調に感じてしまいました。
良いメッセージなので、もう少し著者自身の具体的なエピソードや考え方を掘り下げてくれたら、もっと印象に残る本になったと思います。

また、タイトルから想像していたよりも内容があっさりしていて、「東大生だからこそのリアルな話」や「大学生活での経験談」みたいなものはあまりなかった印象です。東大という特別な環境の中で感じた苦労や気づきをもう少し聞きたかったな、というのが正直な感想です。

前向きな気持ちで頑張ろうと思える!

とはいえ、全体としてはポジティブなエネルギーをもらえる本でした。
「なんか最近やる気出ないな」という時に読むと、心が少し軽くなって、「もうちょっと頑張ってみようかな」と思えるかもしれません。

東大生にはもちろん、東大生でなくても高学歴の人に刺さるメッセージです。東大生がどんな気持ちでいるのか、興味本位で読むのももちろん面白いでしょうのでおすすめです。

著:田坂 広志
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まる
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最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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