
こんにちは!まるです。
私が最近ハマっている漫画家「宮崎夏次系」さんの傑作短編集である「なんかいつかの魔法」を読んだので、早速感想を語っていきたいと思います!
私は超イチオシの宮崎夏次系作品を友人にも貸したいため紙書籍で購入したかったのですが、実はこちらの作品、紙書籍がネットでなかなか売っておらず、、、。ついにメルカリで手に入れましたが苦労しました!
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率直な感想
こちらの傑作集、公式では「類をみない作家性と、時に暴力的なほど強く心に響くストーリー」と紹介されています。
まさにその通り!率直な感想は、やはり、心に刺さる!グサグサくる!これぞ宮崎夏次系の魅力です。
最後の最後で、ガツーーン!とインパクトのあるセリフで、涙腺を崩壊させにきます。
ここですごいのが、「ガツーーン!とインパクトのあるセリフ」と書きましたが、話が急展開だったり衝撃的な言葉を口走るのではなく、ゆったりしていて静かで、だけどとても繊細な時間の流れの中で、芯をつくセリフや人の真に迫る純粋な行動で読み手をハッとさせ、感動させてくるのです。
どの話も温かくて優しくて、けど心がえぐられるような感じで、どこか極限にいるようです。
おすすめポイント
- 1周目と2周目で印象が変わる。
1回読んで、落ちを知ってから2回目を読むと、ああこの時主人公はこう思っていたんだななど、新しい発見があり、ガラリと印象が変わります。
(以下ネタバレあり)
例えば第六話の「石鹸」は、主人公(妹)の兄はつまらないことですぐにイライラしてしまう家族の迷惑者でした。家族に腹をたて、イライラした日にはおろしたばかりの石鹸がすっかりすり減って小さくなってしまうほど、体をゴシゴシ洗い続ける兄。だからいつも肌がカサカサしている兄。
1回目ではこの兄がすぐにキレ散らかすことに目がいき、しょうもない迷惑な兄だと、母、父、妹が可哀想になるのですが、、、。ラストで、兄がひとり風呂で泣いていたり、本当は家族みんなとうまくやりたいけれど、人一倍傷つきやすい繊細な人だと、だからいつもイライラしていたけれど、兄の繊細さを知っている妹には愛されていたことが分かります。
この兄の人柄を理解してから2周目を読むと、、、。1周目ではなんとも思わなかった、なんてことない父のあの行動が、母のあの発言が、兄を傷つけ、苦しめていたんだなと気づくわけです。
両親の兄の機嫌を損ねまいとする気を遣いが返って兄を傷つけ、兄は繊細ゆえ家族と衝突してしまう。本当は家族と仲良くしたいけど、自分が家族に迷惑がられていることは分かってる。だから自分から家を出ていく。そんな姿が切ない。
(ネタバレは以上)
- 切なさと温かさが共存している
宮崎夏次系作品の登場人物たちは、うまく生きれず、社会から仲間外れにされている(ように感じている)キャラが多いです。
でもこういう疎外感って誰しもが少なからず抱えているものですよね。人生全てがハッピーでうまくいっている人なんていない。だから登場人物たちの必死に生きる姿に共感したり同情したり、、、。
「なんかいつかの魔法」に収録されている話も漏れなく、基本的にどこか切ないです。
でも全ての話に愛がある。
だから切ないと同時に、ラストでグッとくるものがあります。
個人的お気に入り作品
「なんかいつかの魔法」に収録されている短編の中でめちゃくちゃ心に刺さった個人的にお気に入りは、、、
「リビング」と「オカリちゃんちのお兄ちゃん」そして「マイムなオンジ」!
どれも温もりのあふれるラストで衝撃を受けて泣きそうになりました(笑)
この他の作品もどれも素晴らしいです!が、私にはまだまだ考察の余地がありそう笑
1回読んだだけで終わらず、深く深く楽しめるところが宮崎夏次系作品の良いところですよね〜^^
宮崎夏次系さんの他の作品のレビューもしているので、よかったらお願いします♪↓
なんかいつかの魔法
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